151会メールマガジン 第5号

2015年2月6日(金) 投稿:石田 健悟(司法書士)

151会メルマガ会員のみなさま

未だ寒い日が続きますが体調管理にはお気を付けください。

さて、本日は、司法書士の石田から、種類株式を用いた事業承継のお話です。

「種類株式ってなに?」

と、思われる方も多いでしょう。

実は、株式には、会社法上、剰余金の配当についての優劣、議決権の行使条件、株式の譲渡などの9つの要素について、内容に変化を持たせることができるのです。

たとえば、
「議決権がない代わりに、剰余金の配当で優遇する株式」
「株式の譲渡について会社の承諾を要するとする株式」
などが一般的ですが、事業承継の場面でも活用できます。

「後継者の長男に自社の株式を徐々に贈与していき、円滑な事業承継と相続税対策を図りたいと考えている。しかし、まだ引退するつもりはないので、代表権も経営権もしばらくは自分の元に残しておきたい。」

というようなケースには、先代経営者(現経営者)に、拒否権付種類株式(いわゆる「黄金株」)を「1株だけでも」保有させることが効果的です。

自社株を後継者に贈与していくことによって、将来的には後継者たる長男が、先代経営者よりも、多くの株式を取得することになります。
すると、多数決の原理から、株主総会等では、後継者の意思がより濃く反映されていくことになるでしょう。
そこで、そのような株主総会の決議に「待った!」をかけられるのが、この黄金株を持つ株主です。
(黄金株で「待った!」をかけられる事項は、事前に定款で定めたものに限られます。)

また、株式を取得した後継者が、先代経営者よりも先に亡くなった場合にも対応できます。
後継者が亡くなった際、株式も後継者の相続財産となります。
何も対策をしないと、事業に関わっていない長男の配偶者や子どもなど、先代の経営者が、意図しない人に承継されてしまうこともありえます。

そこで、贈与によって、後継者に取得させる株式の内容を
「その株式を有する株主が死亡した場合は、金○○円と引き換えに会社が取得する」

という内容にして、後継者が死亡した場合は、会社がその株式を取得できるようにすることも有効な対策といえます。

このように、株式にはその会社のニーズに応じて様々な内容を設定することができ、その際には、法務局に登記をすることが必要になります。

どのような種類の株式を設定すべきかという相談から、登記の申請まで、司法書士が責任をもって対応いたします。
詳しくは、お近くの151会会員までお問い合わせください。

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